自然気胸の治療について

自然気胸
自然気胸とは、高身長やせ型の若年男性(10代後半~20代前半)に好発する病気です。
突然の胸痛で発症することが多く、肺の一部にブラと呼ばれる脆弱化した小さい袋ができてしまいそこに穴があくことで症状が出現します。
開いた穴から漏れた空気により肺が潰れてしまいます。 ほとんどの場合は呼吸に影響のない程度の経度気胸で留まるのですが、空気が漏れ続けた場合には緊張性気胸という生命に危険のある状況に陥ることもあります。
胸部CT検査などでブラの存在が明らかな場合には、治癒後もしばしば再発を起こすため激しい運動を避けたり飛行機での旅行がしづらくなったりなど日常生活に制限を受けることがあります。

気胸の治療
経度気胸で胸部CT検査にてブラの存在が明らかでない初回気胸の場合には何もせずに経過観察を行うことがほとんどです。
再発を繰り返す場合や初回でもブラの存在が明らかな場合や肺の空気の漏れが中等度以上の場合には外科療法をお勧めしています。
胸腔鏡手術は直径5mmの細いカメラと細長い直径5~10㎜程度の道具を使用し、原因となっている病巣を切除し再発予防の処置を行う手術で、皮膚等を大きく切開することなく小さな傷程度の3ヵ所の切開で済む短時間の手術です。
全身麻酔の手術ですので眠っている間に手術は終了し、術後2日目に退院となり抜糸もないため退院と同時に治療も終了となります(高齢者の場合には術後1週間程度入院経過させていただくこともあります)。
社会復帰も早く再発の予防もしっかりできるため運動部の学生や海外旅行や修学旅行の予定がある若い患者さんにお勧めしています。
外科的治療以外ではストローとほぼ同じサイズのドレナージチューブという細いチューブを胸に挿入したまった空気を抜くことで肺を膨らませ肺にあいた穴が自然に塞がるのを待つという治療もあります。
胸に貼り付けることのできる小型の器具を装着することで外来通院でも対応可能ですが安全性に不安があるため基本的にはドレナージチューブを機械に接続し持続的に脱気を行う入院での治療をお勧めしています。
自然治癒を待つ治療ですので入院期間が長くなることがあり、再発の予防という点では手術に劣りますが、それだけで治癒できる場合がありますので手術に抵抗のある患者さんにおすすめしています。
その他女性特有の月経に関連した月経随伴性気胸や慢性閉塞性肺疾患や肺気腫に合併した治療に難渋する続発性気胸、縦隔気胸などのご相談対応も行っておりますのでご不明な点がございましたら是非当院を受診されてください。

天心堂へつぎ病院 097-597-5777

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