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[2010.01.06]
社会医療法人財団天心堂 理事長 松本 文六
ここ約15年間程、私たち医療者は何を考え行動して来たのだろうか?
私自身に引きつけてこの15年有余年のことを省みると、医療そのものをしっかりとしかもゆっくり考える精神的余裕が全くなかったと言える。
その大きな要因は、外部環境のせいにしたくはないが、2年毎の診療報酬の大幅改定にあったと考える。平均在院日数が短縮できないと、病院の収支は良くならない、総収益をあげるにはどうすれば良いのか?と四苦八苦する中で、いつの間にか患者さんのことを考えることを忘れてしまっていた。
このことは、小泉政権が"聖域なき構造改革"と称して医療・福祉・介護・教育・保育領域に対して大なたを振り始め、極端にひどくなって来た。《これでは日本の医療は崩壊する!これでは医療をやっておれない!》という判断と感情で、2007年の参議院議員選挙に出馬した。見事に敗戦。
2008年には後期高齢者医療制度には、無保険者が大量に発生させられる仕組みがあることに気づき、廃止運動をやり始めた。これは、民主・社民・国民新党も乗じて来て、何とか廃止の目途はたった。しかし、現時点では、民主党連合政権は廃止そのものを先延ばした上で改めて検討するという(Shadow Cabinet時代に何故廃止後の体制を考えていなかったのか!と少々呆れているが)。
この10年有余の間、私の目は外に向きっぱなしで、足下をしっかり視ることをしていなかった。その結果、患者さんへの眼がうつろになっていた。ふと気づくと、かなりの職員がめまぐるしい制度改変による混乱の中に放り出され、アップアップして、医療機関全体として患者さんや利用者さんへの方に気配り、目配りすることができない様な状況に陥っていた。現場と職員は、この10余年間で途徹もなく疲弊し切っていた。これらのことは、やはり、《 医療は社会の中でどうあるべきか 》という視座を完全に欠落した"聖域なき構造改革"のせいである。
政権交代の中で、少なくとも自公政権よりも期待できるのではないかという"幻想"(?)の中で、現在は外部環境は一応平穏である。この隙に、改めて患者・利用者さんに向かって、ともに日本の医療・福祉・介護を建てなおすべく、力強く歩んでゆくことを提案し、協働したい。医療者が患者・利用者さんと共感し共に行動しない限り、地域の医療・福祉・介護は決して良くならない。今は、そのような形で行動する時期だと考える。
スローガンは、《 医療に優しさを取り戻そう!! 》。
