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松本文六理事長の一言

2008年08月07日後期高齢者医療制度は廃止すべきです!!

後期高齢者医療制度は廃止すべきです!!

 

 

私は、後期高齢者医療制度は、以下の点で、やはり廃止すべきと考えます。

 (1)国民皆保険制度の理念を根本より破壊する仕組を持っている。

2 75才以上と65才以上の障害者は医療費をできるだけ使わないようし向けられている。憲法で保障されている生存権を否定するものでもある。

   以下、後期高齢者医療制度の問題点について述べます。

 

1 後期高齢者医療制度とは?

 @ これまでの老人保健制度を廃止して、75才以上の高齢者と65才以上の一定の障害のある人を被保険者とする独立した医療保険制度。財源は図1のようになる。

 A 20084月より実施。制度の運営は、各都道府県のすべての市区町村が加入する「広域連合」が行う。

 B この制度の加入者は、個人単位である。被保険者の中で、給与所得者の扶養家族になっていた者が、75才(障害者の場合65才)の誕生日を迎えれば、個人単位でこの制度に移らなければならない。

 C 所得が年金のみの場合には、月15,000円以上の年金所得者すべての者が天引きという形で保険料を徴収される。

 D 保険料の滞納が1年を越えれば、資格証明書が発行され、医療費の窓口負担は10となる。滞納が1年半を越えれば、資格証明書は剥奪される

 E 保険料は2年毎に見直され、厚生労働省の試算では、2008年度10%の負担率が、7年後の2015年度には10.8%に増加する。具体的には2008年度年額61,000円が7年後には約4割増の85,000円になるという。又、この制度の下での総医療費総体が増えれば更に保険料は上る。それとともに、現役世代の負担も増えることとなる。

 F 保険料は〔所得割額+均等割額 〕となる。所得の低い人には均等割額の軽減措置(7割・5割・3割軽減)がある。しかし、軽減の判定は世帯単位で行われるため、本人の収入が低くても、連れ合いなどの収入が基準を超えれば、均等割額を全額支払われなければならない(!!)。

2 どこに問題があるのか?

 @ 制度の運営は、「広域連合」でなされるが、最終的な責任者は誰かという点は、明確でない。国でも、都道府県でも市区町村でもないとすれば、広域連合は、赤字になれば、保険料を上げることしかその手段を持たないこととなる。赤字を防ぐためには何らかの形で医療費を抑制する方策を採らざるを得ないが、診療報酬総枠の決定権は内閣にあるので、運営上大変な混乱が予想されます。

 A 加入者は個人単位であるにも拘らず、保険料は、Fで述べたような場合には世帯単位であり、論理的整合性のない制度です。夫婦で75才以上と以下であれば世帯を構成していても医療保険は分断される。最小単位の家族の絆さえ断ち切る構造を持っている。心理的にはひどく残酷である。保険料支出を軽減しようと思えば、現世帯を放棄し、老夫婦が別々に世帯を持つという形をとらざるを得ません。これは、介護保険でも一部にこのような構造があるが、老夫婦世帯に対する思いやりのない仕組みには、お年寄りが怒るのは、至極当然です。

 B 保険料は、低所得者に対する負担割合が大きく逆進性が強い。

図2と図3を見て下さい。東京都練馬区の例ですが、所得の多い者ほど、保険料は軽減化されています。これを私が代表世話人をしている地域医療研究会の機関紙に掲載してもらったところが、いい加減なデータだと言われ大変驚きました。区議会に出された資料を断定的にウソだと言われるのであれば、その反証となるものを挙げるのが、議論の上での最低のエチケットですが、それは未だに示されていません。

図3に見られますように、年間保険料の上限が50万円ということで、練馬区では700万円以上の所得のある人の、所得割保険料総額に占める割合は、わずか4分の1強の26.7%でしかありません。

国会においても、与党は低所得層の人たちの保険料は、国民健康保険時に比べると殆どの人が下がると断言していましたが、5月の実態調査によりますと、全く逆の結果であることが判明しました。保険料が増えた人は、低所得層39%、中所得層25%、高所得層22と、ここでも逆進性が証明されています(表1)。

 C 保険料は県によって格差を生じる。

  表2をみてください。都道府県によって保険料にこのように大きな格差があります。これが、将来的に地域によって受ける医療に格差が生じないのか、少々心配されます。今は、その姿が全く想像できません。しかし、厚労省は表2で一人当りの老人医療費と保険料が見事に比例していることを示しています。地域の特性を無視して、このような数字を示していることは、医療費が上がれば必然的にあなたの保険料は上がりますよ! と言わんばかりで、これは一種の脅迫行為に等しいと指弾されても仕方がありません。弱者や病める者に恐怖感を与えるのは日本の古代の政治においてさえも見られない卑劣な政治と言わざるを得ません。

 D 最大の問題は、ハイリスクグループのみを対象としていることです。

そもそも、医療保険とは、思い病気にかかった人が、経済的な理由で治療を受けられないとかあるいは中断せざるを得ないような不幸を避けるために国民皆が費用を出しあいお互い助けあうということをその根本理念としています。今回の後期高齢者医療制度は、この理念を根本からくつ返すような代物です。75才以上の方々は若い人たちに比べると免疫力(抵抗力)が絶対的に低下しているために相対的に病気しがちです。又、65才以上の一定の障害ある方々もそうです。老人の医療費が国民総医療費の3分の1を占めることはハイリスクグループであるからで、その点を特に強調して、ハイリスクグループのみの医療保険制度を作り、それを国民皆保険制度の一角をなすと与党と国は主張していますが、むしろ国民皆保険制度を破壊する以外の何ものでもないと思います。

3 診療内容はどうなるのか?

厚生労働省は、後期高齢者の診療について大きく3つの点を強調しています。

 (1)主治医を決めること。その主治医にかかれば1ヶ月何度かかっても基本的に月600円の負担で済むこと。

 (2)主病は1つとする。主病を診てくれる医師を主治医とすること。

 (3)終末期の医療について、本人・家族と相談して治療方針(例えば、人工呼吸器を付けない、経管栄養や胃ろうからの栄養補給などの延命医療に関わる)を文書化した場合には、医療機関に相談支援料として1800円を支給し、患者さんは200円払えばよい。

@ 粗診粗療(年令による差別医療)の可能性大

1)(2)をみますと安くて良い制度に見えます。しかし、内実はそうではありません。図4を見てください。緑色部分については、後期高齢者診療料として患者さんの負担600円と併せて6000円が医療機関に支払われます。しかし、胃カメラや大腸カメラの費用はそれぞれ14,200円と18,000円ですので、この主治医(仮にA先生とします)にかかっている限り、75才を過ぎれば、これらの検査を受ければA診療所は赤字になるので、やってはもらえません。

A 75才未満であればA先生のところで胃カメラも大腸カメラもできますが、75才を越えたとたんに、胃カメラや大腸カメラは病院に行ってやって下さいということになります。同じ医療機関にかかっていてこんなことが起ると患者さん同志で反目することはないのでしょうか。

B  高齢者は、いくつも病気を持っています。主病は一つではありません。高血圧と糖尿病と高脂血症、骨粗鬆症を持っている高齢者はザラにいます。この4つの病気をその主治医が充分診れる場合はいいですが、糖尿病で視力障害を来たした場合には恐らく眼科を紹介されるでしょう。その場合、眼科の医者は6000円の後期高齢者診療料はとれません。となりますと、医者同志の中に亀裂を生みかねません。

このように、この制度は医者と患者の人間関係・信頼関係に亀裂をもたらすだけでなく、医者同志の中に亀裂を持ち込まないとも限りません。

 C 75才になれば何故、治療についての文書表明が必要なのか?

   これは、若い人も命を失うかもしれない最終的段階の医療を受ける人すべてに対して、生前にその意志表明をさせておくのであれば納得できます。しかし、75才の誕生日を越した途端にそれをしなさいということは、露骨に医療費を削減するために、その相談に関わった医者にはボーナスをあげますよということを意味しており、高齢者と医者をバカ扱いするに等しい制度です。

 

要するに、国と厚生労働省は、お年寄りと障害者は、医療にかかれずに、かかったとしても医療費の無駄使いをせずに早くあの世に行ってくれといわんばかりの仕組を作った訳です。この制度は、《 お年寄りと高齢障害者は、医療にかからずに早く死んでくれ!》と言わんばかりの制度であり、極悪法です。

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